私のご主人様Ⅱ

「…」

こういうのには何を言っても無駄。

かばんの中から教科書を出して、ペラペラめくる。…この学校のこと知らないけど、なんか簡単そう。

季龍さん頭いいと思うんだけどなぁ。何でここに通ってるんだろ。

バンッと大きな音をたてて机が叩かれる。ちらっと視線を向ければ、なにやら険しい顔の女子の群れ。

っは、どこでも一緒?お嬢様でも一般人でも変わんないんじゃん。めんどくさい。

「あんた聞いてんの!?」

「プイッ」

「あんたねぇ…!」

「ぎゃははっ!やべ、琴音チャンだっけ?おもしれぇ!」

割り込んできたバカみたいな声。視線を向ければ、いかにも遊び人ですというオーラを漂わせる男が近づいてくる。

うわ、めんどくさいのがまた増えた。
< 28 / 323 >

この作品をシェア

pagetop