私のご主人様Ⅱ
「…」
こういうのには何を言っても無駄。
かばんの中から教科書を出して、ペラペラめくる。…この学校のこと知らないけど、なんか簡単そう。
季龍さん頭いいと思うんだけどなぁ。何でここに通ってるんだろ。
バンッと大きな音をたてて机が叩かれる。ちらっと視線を向ければ、なにやら険しい顔の女子の群れ。
っは、どこでも一緒?お嬢様でも一般人でも変わんないんじゃん。めんどくさい。
「あんた聞いてんの!?」
「プイッ」
「あんたねぇ…!」
「ぎゃははっ!やべ、琴音チャンだっけ?おもしれぇ!」
割り込んできたバカみたいな声。視線を向ければ、いかにも遊び人ですというオーラを漂わせる男が近づいてくる。
うわ、めんどくさいのがまた増えた。