私のご主人様Ⅱ

彼女は先生の隣に立つと、笑顔を浮かべる。

「高崎 詩音(たかさき しおん)です。よろしくお願いします」

鈴が鳴るような声に男子の一部が浮き足立つ。

これは、性格次第でモテモテさん確定なのでは?まぁ、私には関係ないけど…。

はぁ、席替えしないかなぁ。平和な席に行きたい…。

思い虚しく、左隣の席にやって来た転校生。

本当にやめてほしい…。

これでHRは終わり、すぐに体育館移動になる。さっさと体育館シューズを持って席を立った。

「あ、待って!」

今聞いたばかりの声をかけられたと同時に捕まれた腕。逃走失敗。

視線を向けると、人当たりのいい笑みを浮かべていた。
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