私のご主人様Ⅱ
「一緒に行ってもいい??仲良くしてくれるかな?」
「…」
マジですか。ちょっと待ってたら絶対声かけてもらえたのに、よりによって私に声をかけるとは…。
どうしようかな。声出せないことはないけど、学校で出すのはバカにされそうだしなぁ…。
「高崎さーん。やめといた方がいいよ?その子、声出せないから」
「…え?」
「それに、そんな子より私たちと仲良くしよ~」
おお、ナイスタイミング。普段はめんどくさいけど、たまには役に立つじゃん。
腕を掴む力が弱くなったのを見逃さず、軽く手を払ってすぐさま歩き出す。
高崎さんはなにか声をかけてこようとしたみたいだけど、うまく止められたみたいだ。
まんまと逃げ出せて廊下に出ると、麻夏くんと視線が重なる。
「葉月さん、大丈夫?」
「コク」
「ならいいけど」
そこから何となく話をしながら一緒に体育館へ向かう。
校長先生のありがたいお話は長くて、あくびを噛み殺さずにはいられなかった。