私のご主人様Ⅱ
「お、おはよう!」
不意に響いた声に、思わず視線が向く。それはみんなも同じようで、季龍さんに迫っていた女の子たちも視線を向けた。
教室に入ってきたのは高崎さんで、空気が緩んだような気がした。
「おっはよう!詩音」
「元気だね~」
高崎さんに応えたのは季龍さんに群がっていない女の子たち。
季龍さんに群がっている子達は気にする様子もなくまた季龍さんに迫っていた。昨日私をけなしてた人たちが何やってんだか。
恋は盲目とか言うけど、ただの迷惑集団に友情なんかないのか?
呆れて視線を麻夏くんに戻すと、同じような顔で思わず笑うと麻夏くんも笑ってくれた。
「やっぱ葉月さんおもしろ。ひねくれてる」
「ッム」
誉められたかと思ったら蹴落とされた気分。
俺に似てるってことと付け加えられたけど、喜んでいいのか分からなかった。