私のご主人様Ⅱ

「なんで?彼女になれるのは1人だけなんだよ?抜けがけも何も、アピールして何が悪いの?」

「えぇ。でも、詩音は転校してきたばっかりだしさぁ。季龍くんも戸惑うっていうか…」

「転校してきたばっかりだからだよ。今アピールしなきゃ。だって今じゃなきゃ、あなたたちみたいにうるさい女子と一括りにされちゃうもん」

「は?」

高崎さんのその発言に、今まで何とか笑みを張り付けていた女の子たちの笑みが剥がれる。

そこに写るのは、ただ欲に溢れた人間の本質だ。

多数の敵意を向けられても高崎さんは動じない。それどころか、堂々としている姿に感心してしまった。

「あんた、ちょっと顔がいいからって!!」

「私はほんとのこと言ってるだけだよ?それに、あなたたちこそ、自覚しなよ。5ヶ月も迫ってて相手にされてないんだし、脈なしなんだよ」

「っ~あんたね!!こんな性格ブスだとは思ってなかった!!!」

それに関してはその言葉自分にも返ってくるでしょと突っ込みたくなった。

高崎さんは案の定余裕な顔。

さらに口を開きかけた時、丁度チャイムが鳴り響いて先生が入ってくる。

強制的に終了された争いだけど、これを境に高崎さんが孤立したのは言うまでもないことだった。
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