私のご主人様Ⅱ

ギスギスとした空気が漂う中、終わった朝のホームルーム。

季龍さんは戻ってくる様子がない。ギリギリに戻られるだろうか。

せっかく出てきたのに意味がなくなってしまう。探しに行くべきかと悩んだけどやめた。余計なことはしない方がいい。

とりあえずテストため、机に残すのはシャーペン2本と消しゴム、替えの芯だけだ。

それ以外のものはかばんに入れて、廊下に出す。荷物を置くと、勢いよくかばんが隣に置かれた。

「琴音、隣においていいよね?」

「…」

…びっくりした。満面の笑みで私を見る高崎さんに、さっきまでの迫力なんかなくて、本当に同一人物なのか疑いたくなる。

それより、なんでまたくっついてくるんだこの人は…。これ以上私は厄介事に巻き込まれたくないのに。

チラッと周囲を見ると、先程高崎さんと対峙していた女子に睨まれているのが見えた。
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