私のご主人様Ⅱ
それにしても、最後の捨て台詞はひどい。ただの悪口だ。
髪に触れる。真っ白な髪は、もう見慣れてしまったけど、確かに変と言われれば変だ。
それは否定のしようがない。
こんなんじゃなかったんだけどな。少しだけ悲しさを感じたけれど、それを抑えて麻夏くんに顔を向ける。
「…あ、り…がと。た、すけ………て、くれて」
「…友達だから、当然。…葉月さん、声きれいだよ」
「っ!?」
い、いきなり誉められた!?
かっと熱くなった頬にどうしたらいいか分からなくなる。ふ、不意打ちは無理だっ!
「なに赤くなってるのさ。変なの。…ほら、教室入るよ」
「コクコク」
麻夏くんの後を追いかけるように教室に入り、席に戻る。
季龍さんが戻ってきたのは結局ギリギリで、1日のテストは何とか無事に終了した。