私のご主人様Ⅱ

またよりにもよって飲食系とは。

思わずため息をつく。その後、なぜか浴衣を着たいという意見が復活し、浴衣で接客することになってしまう。

めんどくさいのが追加されたと嘆いたのは言うまでもない。

その後書き出された役職は、接客、厨房と大きく2つ。

接客班が内装の飾り付けも担当し、厨房班はメニュー決めと発注する先を考えるらしい。

厨房班の負担が多い気はしたけど、口を挟むつもりもない。

「それじゃ、やりたい方に手上げて。まずは接客~」

学級委員の号令に手を上げたのは、目立ちたがり屋さんを中心とした子達。もちろん浴衣を着たいと言い出した子達もだ。

「それじゃ、次厨房~」

今度は目立ちたがりとは逆に大人しい方の子達。麻夏くんもこっちにするようだ。

ぼんやり観察していると、メモを取っていた学級委員が首をかしげ顔をあげる。

視線がバッチリと重なった気がした。

「えーと。葉月さんはどっち?」

…バレたか。実は手を上げなかった悪い子です。

というより、本当にやらなきゃダメなのか。やりたくないのになぁ、本当に仕事増やさないでいただきたい。

文化祭休むって言って逃れるか。いや、事前準備くらいやれと言われるオチが見え見えだ。
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