私のご主人様Ⅱ

「先生、報告もなしにサボってるんだから、選択権なんかないと思いまーす」

でも、こういうときだけ口を出す生徒に先生も反撃の言葉をなくす。

確かにそう言われればそうだ。それに、うまく人数が分かれているとはいえ、2人が同じものを選べば片寄ってしまう。

それでも、先生は1人ずつどちらかに入ってもらえばいいからと、この場での決定を避けた。

明らかに不満そうな顔をする1部の生徒。

だが、それ以上はなにも言わず、この話は打ち切られた。

「それじゃ、班に別れてそれぞれのリーダーを決めてください」

学級委員の合図で教室の右半分を接客班が、左半分に厨房班が集まる。

厨房班はやはりと言っていいのか、大人しそうな子が多い。麻夏くんもこちらで、さりげなく隣に座ってくれた。

「…えっと、どうしようか」

「えーと、リーダーやりたい人…?」

大人しい子の集まりは声も小さく、接客班の声に若干押されつつこそこそと話をする。

でも、リーダーはすぐに決まると、話はすぐメニューの案出しに変わる。
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