私のご主人様Ⅱ
季龍side
人が少なくなった廊下を歩く。
いつも騒いでいる女どもがいない学校は静かで歩きやすい。いつもこうならいいものをめんどくせぇ。
廊下の隅で俺を見ている奴らを睨んで牽制しつつ、教室に急ぐ。
「麻夏、帰らないの?」
「…葉月さんほっといたら手出しそうなバカがいるだろ」
「あ!?結城どういう意味だ!」
「歯向かってくる辺りほんと、分かりやすいよな。お前ら」
教室から漏れてくる声に眉間にシワが寄る。
歩くスピードが自然と上がり、閉じられた教室のドアを開け放つ。
「あ」
「ッチ」
俺の顔を見た奴らがそれぞれの反応をする。
琴音はというと、かばんを枕に机に突っ伏して寝てやがる。