私のご主人様Ⅱ

この無防備…。

自然と出た舌打ちと共に近づいて、頭をつつく。

「琴音」

「…」

…起きねぇ。ピクリとも動かねぇし。なに教室で爆睡してんだこいつ。

肩を掴んで揺さぶり起こす。

「琴音!起きろ!」

「っん~」

起きたか?肩を離すと目を擦りながら身を起こした琴音は、寝ぼけた顔で回りを見回すと、また机に突っ伏してしまう。

…おい。

「琴音、起きろって言ってんだろ!」

「っみ゛!?」

頬を摘まんで横に伸ばすと猫みたいな声を出して今度こそ起き上がる。

だが、まだ寝ぼけているのか俺をぼんやりとした顔で見上げてやがる。

いつも無駄のない動きをするこいつからは想像できないほど見事な寝ぼけぶりだ。

おまけに前髪が寝癖ではねてる。どんだけ熟睡してたんだ。
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