私のご主人様Ⅱ

「若おそーい」

校門前に止まる車のドアを開けると、だらしなく伸洋がハンドルにもたれ掛かっていた。

それを無視して琴音を放り込み、すぐに乗り込んでドアを閉める。

「んー…ん?」

「やっと起きたか」

「…!?」

身を起こした琴音は飛び起きて俺を見る。いつの間にと言わんばかりの顔をしてやがる。

間の延びた声と共に車が動く。琴音は顔を手で覆い隠し、悶えていた。

「ここちゃんどうしたの?若なんかしたのかー?」

「ちげぇ」

琴音には手出してねぇ。

ようやく頭を上げた琴音はまだ少し赤い顔で、俺に頭を下げてくる。その頭を撫でてやると、目を閉じてされるがままになる。
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