私のご主人様Ⅱ

「若、琴音ちゃんおかえり~」

「おかえりなさいませ」

「あぁ」

「…」

お屋敷に戻ってくると、組員さんに混じって奏多さんと暁くんも待っていてくれた。

頭を下げている間に季龍さんは部屋に向かって行った。

「琴音ちゃん、どうだった?」

「…」

季龍さんのお出迎えが済んだのに、組員さんたちはその場に残ったまま。奏多さんと暁くんが前に出てきてくれて、かばんとかを持ってくれた。

どうだったと聞かれても…。頬を膨らませると、不思議そうな顔をされた。

「やなことでもあった?」

「“授業つまらないです”」

「つまんねぇって…」

「…」

めんどくさいクラスメイトのことを抜きにしても、授業のつまらなさは酷かった。

奏多さんと暁くんは絶句して、お互いに顔を見合わせてる。
< 32 / 323 >

この作品をシェア

pagetop