私のご主人様Ⅱ
エピローグ

一方その頃、永塚組の屋敷の近くには漆黒の車が停まっていた。

エンジンは切られ、その存在はただひっそりと夜の闇に紛れている。

「さーてと。そろそろ動きますか」

ニヤリと弧を描く口元が、閉じられていく窓に隠されていく。

静かに走り出した車。

後部座席に座る男の手には2枚の写真。

1枚は、隠し撮り風の白髪の少女の振り返り様の写真。

そして、もう1枚は、髪の色こそ違うものの、白髪の少女に良く似た黒髪の少女の写真。

下準備は整った。

後はただ揺さぶりをかけるのみ。

男が手にしたスマホの画面には、作戦開始の文字。

それが一斉送信されると、男はスマホの電源を落とす。
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