私のご主人様Ⅱ
外から回った季龍さんがドアノブを引くともちろん開く。
うぅ、もう嫌だ…。また手を差し出してくれる季龍さんの手に自分の手を重ねると、力強く引かれて外に出る。
「「「ぎゃぁぁぁあああ!!!」」」
そして上がる悲鳴なんだか非難なんだか。
それを全く気にしない季龍さんは、私の手を掴んだまま歩き出す。
伸洋さんがいってらーとのんきな声をかけて去っていく。
季龍さんせめて手を離してください。逃げないと誓うので、なんでもいいから離してください。
手をさりげなく離そうとすると、逆に手をつかむ力が強くなる。
「…」
なんで見せつけるようなことするの?
使用人だって言ってもこの人たちは納得しないんだよ?
そんなことも言えないまま、手をつかまれたまま教室まで来た。