私のご主人様Ⅱ
授業開始のあいさつもなく、黒板に問題を書き出していく先生。
全部で3問。…3問なんだけど、最後の問題おかしいような気がする。1問だけレベル跳ね上がりすぎでしょ!?
だけど誰もなにも言わないまま、先生はくるりと振り返る。
「では…問1を安斉くんに解いてもらいましょうね」
「ッゲ…は、はぃ」
名指しで呼ばれた生徒があからさまに表情をひきつらせながら立ち上がり、黒板に向かう。
その手にノートはない。宿題の答え合わせとかだと思ったけど違うのかな。
安斉くん?はチョークを持つと、なんかものすごいスピードで書き始めた。速!?なにあれ、先生より速そう!
ポカンと見ていると、先生が安斉くんの後ろにスッと立つ。なぜそこに?そしてなんか近くない??
「あら安斉くんここ違うんじゃない?」
「っ!!や、あってますって!!」
先生の右手は黒板をさしたけど、左手までなぜか前に伸びる。なんで?そして近いって。
明らかに表情が変わった安斉くんの顔はひきつって青白い。