私のご主人様Ⅱ
「奏多さん、こいつ頭打ったんじゃないっすか」
「うーん。…かもね」
ずっとご機嫌な私にいよいよ奏多さんも暁くんも不振がって気味悪そうな顔を向けられた。
それでも気にせず料理を続け、ちょうどいい時間になる。
いつも通り季龍さんのお父さんと、田部さんの分を別にして、後は大皿に入れて、ワゴンで何回か往復する。
「あぁ、琴音さんちょっと」
「?」
あれ、田部さんだ…。珍しいなこんな時間に会うなんて。
足を止めると、田部さんは2人分、分けられたご飯を見て、私を見る。
「今日は分けなくても結構ですよ」
「???」
「旦那様も大広間でとられるそうです」
「…!!!」
え、え!?目を見開くと田部さんはではよろしくとどこかに行ってしまう。
…嘘、今まで謎の人だった季龍さんのお父さんが大広間で食べるの!?
ただ用意しとけばいいと分かってるのに、なぜか混乱する。