私のご主人様Ⅱ
そうやって遊んでいると、ふと視界に映った季龍さんのお父さんが表情を歪めているのが見えた。
背もたれがないのがきついのか、しきりに腰を擦っている。
だけど、近くにいる季龍さんは梨々香ちゃんと話し込んでいるのか気づかなくて、田部さんも少し離れたところでお酒を飲んでいる。
誰も気づいていない。…。
「ここちゃん?お?」
立ち上がって急いで駆け寄る。いいんだよね?いいんだよね!?
季龍さんのお父さんは私に気づくと目を丸くさせて、ニヤリと笑う。大丈夫そう…?
「“大丈夫ですか?”」
「…そうか、声がでなかったね。」
あ、タブレット忘れた。とりあえずジェスチャーで腰を触ってみると苦笑いされる。
「そこにある座椅子もらえるかな」
「コクッ」
上座の後ろ、隅っこにある座椅子を持ってきて、座布団を置いてから季龍さんのお父さんに座ってもらってもらう。
「お?」
膝の裏を支えてすっと机の前まで移動させる。
これでいいかな。