私のご主人様Ⅱ

ただ、ご飯を作って、掃除して、洗濯してと普通のことをしてるだけだって思ってた。

でも、よくよく考えればそれは生活に必要なことで、それを任されるのは生活を任されたのと一緒だ。

だから、託された。家族の生活を。

いくら人手がないからって、見ず知らずの人に任せるくらいだ。相当困ってたんだろうな…。

いや、あんな惨状になるんだから選んでる暇がなかったんだろう。うん、絶対そうだ。

誇らしいような、虚しいような、考え方次第でどちらにでも転ぶ微妙な心境になる。

「あと、季龍のことだけど…。信じてやってほしい。あいつは無愛想だが、キミのことはとても気にかけている。あいつは大事なものを守るためなら、手段を選ばないから少しだけ強引に見えるけどね。最善だと思う道を進むんだ」

季龍さんのことを話す姿はまるで孫を見ているように穏やかで、こっちまでホッとしてしまうような暖かさで満ちていた。

季龍さんのこと大切なんだなぁって、言葉だけでも分かった。

頷くと嬉しそうに笑ってくれた。
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