私のご主人様Ⅱ
1日の仕事を終わらせて、部屋に戻って来た。
それにしても、まさか季龍さんに昔会っていたなんて…。しかも2年前くらいに?
全然記憶になかった。…むしろ、忘れた。あんなこと二度としないと記憶に鍵をかけていたんだと思う。
だけど、あれがなかったら、私はここにいなくて、今どうなっていたか分からなくて…。
「…“私の方が不幸中の幸いだよ”」
目を閉じる。鍵をかけた記憶を思い出す。
初めて季龍さんと源之助さんに会った、あの日のことを。