旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「どうしたの?食べないの?」
「いや、情報処理に頭がついていかなくて……っていうか、さっきの話本当なの!?妄想じゃなくて!?」
「うん、本当だけど」
それは、先ほど私が結花に話した『最近一緒に食事に行けなかった理由』に対しての感想なのだろう。
会社が倒産したこと、就職に苦戦していたときに玲央さんに行きあったこと、彼が嫁として雇ってくれて、立花家で暮らしていること。
……こうして改めて思うと、確かに妄想と思われてしまいそうなすごい展開だ。結花が信じ難いのもわかる。
けれど私がふざけているわけでも、妄想を言っているわけでもないと察しようやく事態を飲み込めたのだろう。
結花は「本当なんだ……」とようやく納得する。
「けど、立花さん本当いい人だね。雇うだけならまだしも住み込みで食事つき……性格悪いから独身、は撤回だ」
「うん。毎日忙しそうだし、恋人とか作る時間ないだけかもって思った」
笑いながら、お皿の上のサラダをフォークでひと口食べた。
そんな私に、結花はじろ、と視線を向ける。
「けどさぁ……それってどうなの?」
「へ?」
それ、って?
意味が分からず、キョトンとした顔で聞き返す。