旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
……あの日、関さんといたところを玲央さんに見られた日から3日。玲央さんは、普通だ。
あれから帰宅した彼は、お風呂に入ってすぐ寝て……そのまま特別会話もなく。翌朝にはいつも通りの態度に戻っていた。
自分からあの話題を掘り返す勇気もなく、結局私も彼の真意はわからないまま。
……ドキドキしてるのは、私だけなんだろうなぁ。
近づいた彼との距離が、忘れられない。
その心にはどうってことないことだと、分かっていても。
今日の玲央さんの帰りは21時すぎ、か。よし、ちょうどいい。
そう時計を確認しながらスマートフォンを取り出すと、画面に触れる。
「……あ、もしもし結花?朝からごめんね。ちょっと急ぎで関さんに連絡取ってもらいたいんだけど……」
そして電話をかけた結花への話の内容は、関さんへの約束の依頼。
出来るなら、関さんと会いたいとは思わない。
けど、やっぱりしっかり話をして、もう会わないことを伝えた方がいいとは思う。
けど、今このタイミングで『夜に出かける』なんて玲央さんに言おうものなら、関さんと会うだろうことはバレバレだろうし……。
それはそれで、ちょっと気まずい。
その思いから、玲央さんには内緒で、彼が帰ってくるまでに帰ってこようという作戦だ。
弱みを弱みのまま、握らせたくない。
この心は刷り込みなんかじゃない、って伝えたいから。