旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「パーティーでの一件は目を瞑ってやったが、俺以外を巻き込んでるとなれば別だ」
私たちの話を聞いていたのだろう。全てを把握したかのように玲央さんは言葉を続ける。
「女脅して手に入れてなにが楽しいんだよ。俺の嘘を言いふらす?そんなの好きなだけやればいい」
「なっ……!」
「かっこ悪いだの失望だの、そんなこと言われるのなんて慣れてるんだよ。それに、大切な奴を傷つけて得るプライドに価値なんてない」
大切な、奴……。
玲央さんはそうはっきりと言い切ると関さんの腕を離し、続いて私の腕を引っ張り歩き出すと、そのままお店を出た。
「あっ、れ、玲央さん!?あの、私コーヒー代払ってなくて……」
「はぁ?」
そう足を止めようとした私に、玲央さんは苛立った様子で眉間にシワを寄せこちらを見る。
「コーヒー代くらいあいつに払わせとけ!どうしても気になるっていうなら後で俺から払っておいてやるから!今後一切、絶対あいつとふたりで出かけようとか思うなよ!いいな!?」
「は、はぁ……」
な、なんかすごく怒ってる……?
珍しく明らかにイライラとした口調を見せる玲央さんに、圧倒されてしまいおとなしく彼に続く。