旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「……三浦さん。泥酔だけは勘弁してくださいよ」
「だ、大丈夫ですよ。私結構強い方ですし!」
普段から美味しいご飯にはおいしいお酒、とシャンパンやワイン、ビール、日本酒、とひと通り飲めるくらいには耐性がある。
それに玲央さんをまともに見ることも恥ずかしいし……あぁもう、また明日からあの家でふたりきりと思うと、どうしたらいいんだろう。
余計なことを考えると、いっそう考えがまとまらなくなってしまい、気持ちを逸らすように、差し出された酒瓶にお猪口を差し出した。
……が。黒田さんの『とっておき』のお酒を私は正直甘く見ていた。
すっきりとした味がのみやすい冷酒だからと、話しながらついつい飲んでしまい……。
「せ、せかいがまわる~」
黒田さんが先に潰れてしまったからと、食事を終え部屋に戻る頃には、私は完全に酔っ払ってしまいふらふらな足取りで部屋までの道のりを歩いていた。
「……大丈夫って言ったの誰ですか」
「す、すみません~、後からお酒回ってきちゃって……あれ?檜山さんなんでふたりもいるんですか~」
「いるわけないでしょう。あなたが酔っ払ってるだけです」
呆れたように叱る檜山さんに、私の足はふらりとよろける。
すると隣を歩いていた玲央さんは、すかさず腕を伸ばし、転びそうになった腕を引き止めた。