旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
伊豆に旅行にやってきた、二日目の朝。
バシャバシャッと勢いよく水で顔を洗って、目の前の鏡を見る。
そこに映るのは、アルコールで少しむくんでいる気がする以外はいつも通りの自分の顔。
ぱん、と頬を両手で叩くと確かに痛い。
「……夢、だったのかな」
一夜明け、確かに感触が唇に残ってる。
けど、昨夜のことがあまりにも信じ難くて、夢のような気持ちのほうが強い。
……ていうか。
私、酔っ払ってたとはいえ玲央さんに告白するって……!!
いきなり言われて驚いたよね、意味わからないよね。
けど、キスされたってことは……その。
悪くない答えを、期待してもいいってこと?
都合がいいとは思いながらも、そんな答えを想像して、頬がぼっと熱くなる。
するとその時、ドアからはコンコンッと軽くノックする音がした。
「はい?」
「檜山です。三浦さん、起きてます?」
檜山さんだ。
声をかけられ、タオルで顔を拭きながらドアを開けると、そこにはすでに身支度を終えた檜山さんがいた。