旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「お前は、笑ってへこんで忙しいな」
「すみませんね、単純で」
口を尖らせた私に、立花さんは「だが」と言葉を付け足した。
「お前のそういうところは嫌いじゃない。だから、いい仕事を紹介してやろう」
「え!?」
いい仕事を紹介って……本当!?
そうだ、立花さんはこう見えてもこのホテルのオーナー社長。もしかして、ここで雇ってくれたりするのかも。
借りを作るのはちょっと悔しいけれど……でもこうなったら、そんなこと考えている場合じゃない。その言葉にとことん甘えてしまおう。
「ほ、本当ですか!?いいんですか!?」
「あぁ。喜べ、書類審査や面接等一切なしのコネ入社だ。福利厚生完備、月給はそれなり……そうだな、少なくとも前の会社よりは出す。おまけに1日3食の食事付き、住居もつけてやる」
「えぇ!?」
な、なんていい条件……!これは断る理由なんてない!
「やる!やります!なんでもやります!」
バン!とテーブルに手を付き立ち話に食らいつくと、立花さんは笑みを浮かべたまま頷く。
「そうか。それは話が早くて助かるな」
そして部屋の入り口側に立つ男性に「あれを」と声をかけると、1枚の書類を持ってこさせた。