旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「お前なぁ……いきなりなにすんだよ!あぁ!?」
「だ、だって、なんで関さんがここに……」
「なんでって、昨日泣きべそかいてたお前を拾ってやって、うちのホテルで飯たらふく食わせてやったんだろうが!」
怒りながら立ち上がる関さんに、そうだったっけと昨夜のことを思い出す。
そういえば、昨日は駅前で関さんといきあって
『美味いもの食わせてやるからとりあえず落ち着け』
そう言って品川クイーンズホテルに連れてきてくれた関さんに甘えて、レストランでごちそうになったんだっけ……。
あれ、でもお腹いっぱいになったあたりで記憶がない。
そんな私の心を見透かすかのように関さんは言葉を続ける。
「レストランで食うだけ食ったらワインがぶ飲みして酔うわ、泊めてやるのにここまで運んできたら俺のシャツに吐くわ……挙句変態呼ばわりとは、いい度胸だなぁ?」
「す、すみません……!!」
そ、そうだったんだ……!
二日連続で酔い潰れるなんて……しかも昨夜は関さんの前にもかかわらず、記憶がないほど飲んで吐いて……あぁ、自分のバカ!
当分お酒は控えよう、と胸の中で決めた。
けど、シーツをめくり自分の姿を見てみれば、ブラウスのボタンひとつすらも外れていない。
……関さんが酔った相手に手出しするような人じゃなくて、よかった。
いや、まぁシャツに吐かれちゃそんな気もなくなるだろうけどさ。よかったような、女としてはどうかと思うような……複雑な気持ちだ。