旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「けど、それでも立花は、お前を結婚相手に選んだんだろ。それを、つりあわないとか言うなよ。あいつの気持ちを、否定してやるなよ」
玲央さんの、気持ち……。
仕事をなくした私を、救ってくれた。他の人が否定した私を、認めてくれた。
『そばに、いてくれ』
そう、つたえてくれた。
そんな彼の気持ちに対して、私は一方的に否定してしまっていたんだ。
どうせ同情、どうせつりあわない。
どうせ、どうせ、と勝手に諦めて。
確かにつりあわないかもしれない。認めてもらえないかもしれない。
だけど、それでもたったひとつ変わらない想いは、あなたが好きだという気持ち。
「……はい……」
それを気づかせるために、わざとさっきのようなことを言ったのだろう。やっぱり関さんは、本当は、いい人なのかもしれない。
「……普段からそうやっていい人でいれば絶対モテますよ、関さん」
「は?俺は普段からいい人だけど」
真顔で言っているけれど冗談にしか聞こえないその言葉に、はは、と苦笑いで応えた。
するとその時、コンコン、と再び部屋のドアがノックされた。
「ん?はい?」
「度々失礼いたします。オーナー、少々よろしいでしょうか」
ドアの向こうから聞こえてきた声は、先ほどシャツを持ってきた女性のもの。
その声に、関さんは私から手を離すと不思議そうにソファを立つと、ドアを開けた。