旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「じゃあ早速、この契約書にサインを貰おうか。そしたら明日から勤務開始だ」
「はいっ!」
明日から早速なんて、話が早いのもありがたい。
すんなりと採用は決まるし、条件はいいし……こんなにいい仕事を紹介してくれるなんて、いつもは意地悪だけど、立花さんって本当はいい人なんだなぁ。ちょっと見直しちゃうかも。
差し出された書類に、いい仕事が決まったという嬉しさから文面もまともに読まずに、すらすらと氏名や住所を書き込む。
名前、住所……はともかく、本籍まで書くんだ。細かいなぁ。
そう思いながらも特に気にすることなく書き、全て記入し終えてから、私はふと気付いた。
その用紙の左上に書かれた、『婚姻届』の文字に。
……ん?
あれ。え??
その意味を考えているうちに、立花さんは私の手元からスッと書類を奪い、記入漏れがないかを確認する。