旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「あ、あの……立花さん?その用紙に、『婚姻届』って書いてあった気がしたんですけど」
「ん?あぁ、そうだな。婚姻届だからな」
「あー、そうですよね!婚姻届ですもんね!……へ?」
婚姻届って……あれだよね?
結婚するときに出す、夫婦の証明……って、夫婦!?
「ままま待って!待ってください!!なんで!?どうして!?私と立花さん結婚するんですか!?」
「あぁ。よかったな、お前の性格とやる気を見込んでの即時採用だ」
「わーい、やったぁ、じゃなくて!私は仕事を探してるって言ったんです!結婚相手を探してるなんて言ってません!!」
一瞬流されそうになってしまうけれど、すぐにハッとして反論する。
なんで私が、立花さんと結婚なんて……!?
「別に、働いて給料をもらうなら仕事と同じだろ。下手な会社で働くよりも安泰だろ」
「それはそうかもしれないですけど……」
そりゃあ確かにそうかもしれないけどさ!
だけど、結婚っていうのは好きな人とするべきもので、お金や生活のためにするなんてあまりにも夢がなさすぎる。
とてもじゃないけれど納得できず、怪訝な顔をする私に、彼は紙からこちらへ視線を向けた。
「俺の方も、この歳になると周りが結婚だ見合いだってうるさくてな。ちょうどよかった」
って、そのためか……!
結婚相手がいるとなれば、立花さんも周りからあれこれと言われなくなり煩わしさがなくなるということだろう。
私は生活できるようになるわけだし、立花さんもいろいろとラクになる。互いにメリットがあるということだ。
そう思うとつい納得してしまう。