旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「玲央さん、せめて上着脱いで、ネクタイも外さないと」
「わかってる……けど体が思うように動かねーんだよ……」
あれ、意外と意識はしっかりしてる。
泥酔して体がフラフラにはなっても、意識はきちんとしているらしい。
完全に呑まれてしまわないところが、玲央さんらしいというか……。
「ちょっと失礼しますね」
彼に代わって、私はそのネクタイをそっとほどき、ジャケットも脱がせた。
ズボンは……さすがに、脱がせられないから、このままでいいか。どうせそろそろクリーニングに出そうと思っていたスーツだし。
「玲央さん、お水飲みます?」
「あー……いい。それより」
「え?」
玲央さんはそう言いかけると、屈んでいた私の腕を引っ張り、ベッドに横たわる自分の体に私を抱き寄せた。
突然触れた体と強いアルコールの香りに、ドキ、としてしまう。
「ど、どうしたんですか?」
「水飲むより、杏璃とくっつきたい」
そう言って、玲央さんは甘えるように私の体を抱きしめた。