旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「あー……落ち着く。お前、いい香りする」
「そうですか?あ、お風呂あがりだからですかね」
くん、と髪の香りを嗅ぎながら近づく顔に、より強く胸はドキ、と音を立てる。
甘えてる……のかな。
アルコールのせいか、めずらしい彼の姿にかわいらしさを感じた。
すると、玲央さんは突然ぼそりとつぶやく。
「……ごめんな、最近」
「え?」
ごめん、って?
その意味を問うように上目遣いで彼を見れば、玲央さんは眠そうな、少し微睡んだ目でこちらを見ていた。
「夜、ひとりにしてばっかりだろ。今日こそは早く帰るつもりだったんだけど」
気にして、くれていたんだ。
その気遣いが嬉しくて、小さく首を横に振る。
「仕方ないですよ、付き合いですもん」
「俺は周りとの付き合いより、早く帰って杏璃に触れることばっかり考えてるんだけどな」
「え!」
わ、私に触れる!?
そんなことを言われるとは思わず、頬をぽっと赤く染めると、そんな私を見て彼はふっと笑ってみせた。
そして、私の額にそっとキスを落とす。