旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「まぁ、今すぐにってわけじゃない。三カ月は試用期間として様子見で、婚姻届を出すのはその先だ。とりあえず明日からうちで暮らしてもらうからな」
「へ!?う、うちでって……立花さんの家で!?」
「もちろんだ。夫婦たるもの同居じゃないとな。あ、安心しろ。結婚とはいえお前に手出しする気は毛頭ない。というかそういう気にもならない」
それってどういう意味!
けど、いきなりの結婚に、同居……なんて、そんな。あまりに怒涛の展開に頭がついていかない。
そんな私に対し、目の前の立花さんはニヤリと意地悪い笑みを浮かべた。
「というわけで、よろしくな。嫁さん」
その表情から感じるのは、親切心や優しさなどではなく、新しいオモチャを手に入れた、とでもいうかのようなそれはそれは黒い笑みで……。
その表情に気付いた。
もしかして、いや、確実に、私はまずい契約をしてしまったのだということ。
けれど、時すでに遅し。
しっかりと記入してしまったその婚姻届に、冷や汗が背中にたらりと伝ったのだった。