旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
昨日、調子に乗って婚姻届にサインをしてしまった私に彼から告げられた仕事の内容は、『立花さんの嫁』というものだった。
立花さんと結婚して、専業主婦として家のことをする。
冷静になってそんなのいやだ、と撤回しようとしたが、その手には私が書いた婚姻届がある。
それに食事も住居も用意されて、安定もついてくる。条件だけを見れば、これだけのいい条件の仕事なんてきっと他には見当たらない。
というわけで、結局観念して、まずは三カ月だけという条件で受け入れることにしたのだ。
三カ月立花さんと暮らしてみて、合わないようだったら即出て行く。
私の作戦としては、その間に仕事を探して就職する。いわばつなぎの仕事というわけだ。
一緒に住むというのは当然抵抗があるけれど……立花さんも周りの目を誤魔化すための妻役がほしいだけのようだし、男女ひとつ屋根の下でなにかが起こるとも思えない。
『結婚とはいえお前に手出しする気は毛頭ない。というかそういう気にもならない』
昨日の彼から言われた言葉が、安心なような、ムカつくような……。
そんな私に立花さんから渡されたのは、この家の住所が書かれた紙。
『数日分の荷物を持って朝9時までにここに来い』、の言葉の通りやってきたわけだけれど……。