旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~



らせん状の階段をのぼったところには廊下があり、右手側にも左手側にも部屋がある。



私の部屋……どっちだろう。

とりあえず、と左手側の部屋へ行ってみると、そこには小さな部屋があり、ベッドとテーブル、と最低限のものが用意されていることからここが私の部屋なのだろうと気づいた。



見れば部屋にはトイレと浴室までついている。

私の住むワンルームのアパートと大差ないかも……。



見れば見るほどすごいなぁ、と感心しながら、どうやらここは住み込みの家政婦さんの部屋だったのだろうことを察した。

……ていうか、掃除に洗濯にって、つまり嫁という名の家政婦代わりなんじゃないの?



そうか、きっと家政婦さんがなんらかの事情で辞めてしまったのだろう。

ついでに立花さんは周囲から結婚を急かされるのが煩わしくて。そんななかで、仕事もない彼氏もいない私が現れて都合がよかったってわけだ。



どこまでも立花さんの手のひらの上で悔しい。



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