旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
これまでホテルで行き会う程度だった玲央さんと、こうして同じ屋根の下、主人と使用人として暮らすようになって1週間。
玲央さんは朝出て行って夜に帰宅、食事、入浴を素早く済ませ寝てしまう。
毎日その繰り返しだから、正直あまりゆっくり顔を合わせることはない。
そんな生活なものだから、最初は男女で同じ屋根の下で暮らすなんてと思っていたけれど、警戒心を感じるようなことも、ドラマのような甘い出来事もない。
最初に言っていた通り彼は私に女性としての興味は一切ないらしい。
安心のような、女性としてはどうかと思うような……複雑だ。
けど、玲央さんと過ごすほんの短い時間の空気感は居心地が良くて、安心する。
「今日のお昼ごはんはなんだろうな~」
浴室掃除を終え、今日の昼食を想像しながらリビングに戻った。
そこにはすでに玲央さんはおらず、シンクに置かれた食器から、食事を終え部屋で寝ているのだろう。
リビングにあるソファには、脱いだワイシャツと靴下が無造作に置かれている。
「……これくらい自分で脱衣所持っていってよ」
もう、と少し呆れながら、私はそれらを手にした。