旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~



「た、立花さん……どうも」

「どうも。性格が悪くて独身のままの性悪オーナーのホテルのランチビュッフェに今日もお越しいただきありがとう」

「うっ……」



だから、そういう嫌味っぽい言い方をするところが、性格が悪いんだってば!


一方で結花には「結花ちゃんも、いらっしゃい」と優しく微笑んでいる彼・立花さんに、私は口元を拭いていたナフキンをテーブルに置くと、食べかけのクリームパスタをひと口食べる。



「今日もよく食ってるな。全種類食い尽くす勢いだ」

「そりゃあもちろん。ビュッフェは元取る勢いで食べないと!」

「とっくに元取れてるだろ。ていうか、お前だけ料金2倍にしたいくらいだよ」



そう周りのお客さんに聞こえないくらいの声で言うと、立花さんは笑いながら右手を伸ばし、私の口の端にそっと触れる。

その指先が拭ったのは、食べた拍子についたのだろうパスタのクリームで、彼が見せる笑みが『この食いしん坊』と言っているようで恥ずかしくなる。


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