平凡なシンデレラ
「千紗、明日からもここに来いよ」
「私なんかが来てもいいんですか……?」
「俺は千紗じゃないと嫌だから。今日からここが千紗の居場所」
最悪の日と思っていたけどそんなことはなく、むしろ今日は私にとって幸せな日だった。
今まで息を殺して過ごしてきた私に初めて居場所が出来た。
そのことが嬉しくて嬉しくて、自然に涙が溢れてきた。
私が勝手に泣いているからびっくりしている松中さん。
「うわ、慎吾が千紗ちゃんを泣かせてる」
「ちげーよ。てか、お前どっか行ってたのになんでいるんだよ」
「面白そうだから死角から見てた」
「お前相変わらず性格悪いな」
「千紗ちゃん、俺の名前は一郎だから覚えておけよ。ちなみに副総長」
「よろしくお願いします」