Even if ...【短編小説】
「いえ。今日が初めてです。」

「偶然。僕も初めてなんですよ、自宅は登戸の方なので。」

「私もそっちの方面ですよ。2つ隣の生田が最寄りです。」



初対面の人にこんな個人情報話すことなんて滅多にないのに珍しい、自分。



「おっじゃあ近いですね。一人暮らしですか?」

「いえ。職場が遠くないのでそのまま実家に。」

「へえ〜。」



男性はそう言うとしばらく黙った。


何、実家暮らしに絶望された?

30は超してる風貌はしてるけど、
決して悪くはないと思っていただけに幻滅した。

ただ体目当てだったのか。


ま、ここで誘うくらいだからそんなものだ。
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