Even if ...【短編小説】
諦めてあと5分くらい適当に居座ってから帰ろうかなと思った矢先に、
男性がいきなりグラスの中に入ったカクテルを飲み干した。

お酒に強いのかまだ酔いが回っていないのか、
飲む前と変わらない表情で私のことを見る。



「人違いでしたら申し訳ないんですけど、
もしかして瀬上結実さんですか?」



瀬上結実。
それは私の名前だ。

なぜ彼が私の名前を知っているのか。


……と疑問を浮かべる頃には、少しずつ記憶が蘇ってきた。






「もしかして………八嶋先生?」

「ああ。ということは、瀬上さんで間違いないのか。」
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