君が嫌い
『勝也泣きそうだけどどうしたの?』


『……なんでもないよ。』


『あっそう?それならいいけど。』


『あはは……はぁ……。』


こうなるのが分かっていたら最初からルールに加えていたのに。


俺たちが始めた勝負にはルールがある。
1つ、家に来てもその日の内に必ず帰ること
1つ、家でタバコを吸わないこと
1つ、敬語で話さないこと
1つ、家に来た場合は必ず部屋にあげること


以上この4つがこの勝負のルール。
お互い2つずつ条件を出し合って決めた内容。


今後ルールの内容が増えることも減ることもない。
これを破った場合も相手の勝利ということにした。


あの日から今日まで1度も家に訪れて来なかったから、もう諦めてくれたのかと思っていたのが誤りだった。


『かつやー、お腹空いたー。』


『お腹空いたって今食べてるでしょ……う、嘘だろ。』


確かに1人分しか買ってこなかったけど、そこそこ量あったでしょ。
それなのに、何故もう無いんだ。

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