君が嫌い
俺まだ何も食べてないのに。
今日のご馳走は俺が頑張ったご褒美なのに。


『ねーねーかつやー。ごはん食べたい。』


俺のこのやり場のない怒りを気付いていないから呑気なことを言いやがって。
許せん。


『うるせーバカ野郎。人の晩飯奪っておいて。』


『あーもう、そんな怒らないでよー。私のお酒あげるから、これ飲んで落ち着いて。』


『お、おうすまないな。いただきます……ってこれ俺が買ってきた酒じゃねーか!!』









『はぁ…はぁ…はぁ…。何か言うことは?』


『ご、ごめんなしゃい。』


『仕方ない、許してやろう。』


床に倒れている彼女。
俺の必殺奥義の前ではなす術なかった様子。


あーあ、結局残ったのはこの酒だけか。
いつも買う値段の3倍以上値段の高い日本酒を手に取り眺める。


本当は1日で飲むつもりは無かったけど、こうなりゃ自棄だ。


『俺と酒飲むぞ。』

< 102 / 145 >

この作品をシェア

pagetop