君が嫌い
『……ヒック。かつやー、まだまだ飲み足りないぞー。もっと酒をよこせー。』


『うっ……。あ、もうダメ。うげーーーーーー。』


絶賛払い戻し中。


おかしい、何故俺が袋に顔を突っ込んでぶっ倒れている。


『うわ、かつや汚いー、ヒック。臭いからあっちいってー。』


汚物を見るような目で手で追い払われた。
ちくしょう、本当は俺がその仕草をやるはずだったのに。


『くそ、何故こうなったんだ。』


トイレで1人頭を抱える。


この勝負には2つの意味が隠されていた。


1つは、俺がいい気分になるため。


もう1つは、勝負に勝つため。
勝負とは当然あの勝負。


もともと酒が飲める体質だからそれを活かして彼女を酔い潰して朝まで寝かす。
そして彼女とはこれでおさらばってのが俺の計画だった。


そのはずなのに……

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