君が嫌い
『それではお嬢様参りましょう。勝也様、今後ともお嬢様との御交友お願いいたします。』


『は、はぁ。』


『かつやー、おやふいー。』


眠さが極限まで達していたのか呂律が上手く回っていない。
きっとおやすみと伝えたかったんだろう。


執事さんに支えられながら帰っていくその背中を玄関から見守った。


『なんだろう、この疲労感。』


部屋に戻るとどっと身体が重く感じた。
今日は嬉しい日でもあり最悪な日でもあり驚かされた日、疲れるのも無理はないか。


疲労の眠さと共にやってくる喉の奥から込み上げてくるなにか。
そういや俺、気持ち悪いんだった。


吐き気は容赦なく襲い続け、結局朝までトイレで過ごす事となった。


おかげで寝不足だ。
それなのに朝日が仕事に行くよう命ずるように煌びやかに輝いている。


……久しぶりにサボっちゃおう。
寝室にある布団に飛び込んで眠るのであった。


その後、無断欠勤した俺は大きな仕事を流されるのはまた後の話。

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