君が嫌い
『んふぁーー。』


体を伸ばして凝り固まった筋肉をほぐす。
ポキポキと骨の軋む音が心地いい。


ああよく寝た。


『って、今何時だろ?』


明かりを頼りにしないと周りが見れないほど暗くなっているところから結構な時間寝ていた事がわかる。


手探りで携帯を探し確認してみると18時と表示されている。
ちょっと寝すぎちゃったな。
寝てから8時間以上は経ってる。


今夜は眠れそうにないな。


とりあえず電気付けよう、これじゃ何も見えない。
壁を伝いながらリビングの電気をつける。


明かりで視界が広がった瞬間目に入ったもの。


『なんでいるんだ?』


さっきまで俺が寝ていたすぐ隣でお嬢様が寝息を立てていた。
帰れって言ったのに……。


『……ん。私寝ちゃったんだ。勝也おはよー。』


俺の声に反応したのか、それとも眩しかったから分からないけどとりあえず目を覚ました。
ボサボサになった髪をポリポリと掻いている。


そんな普通の仕草がどこか可愛らしく思わず見惚れてしまった。


綺麗。
絵がそのまま3次元に来たんじゃないかと思うほど眩しく遠い存在に思えた。

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