君が嫌い
『んー?何私の事ジロジロ見てるのー?』


『み、見てない見てない!!』


『ふふふ、勝也がそう言ってても目は誤魔化せてないぞー。』


ゆっくりと近づいてくる顔。
離れなきゃいけないのに彼女の唇から目が離せない。


『なぁーに?もしかしてキスしたいのー?』


『ば、ばか!誰がキスしたいなんて……ん。』


唇に人差し指を当てられその以上言葉が出せない。


『私が勝也としたいの。』


え、エロい。
なんなんだこの人は。


流石嬢やってただけの事はあって雰囲気作りが天才的だ……って感心している場合じゃない。


『は、離してよ。』


『嫌だ、絶対離さない。』


馬乗りになられ両手で顔を押さえつけられて身動きが完全に取れない。
そしてどんどん顔が近付いてくる。


やばい、このままじゃ……


『ん?太腿に何か固いものが……』


『こ、これはその……』


ズボン越しからでも分かるほど、もう1人の僕が慌てふためいている。

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