君が嫌い
『……これが……の味なのね。まあまあの味だったわ。……うん、満足ね。』


1人でボソボソと何か言っているように見えたけど、興味ないからいいか。


『んじゃ、そろそろ出るか。』


食休みもほどほどに席を立つ。
いくら嫌いだとは言え相手は女性だ、その辺の心遣いは出来る。


どうせこいつはその事も気付かないだろうけど。
別に気付いて欲しいから行なっているわけじゃないから良いんだけどさ。


『そうね、行きましょう。』


レジに向かいお会計を済まそうとする。


『お会計はご一緒で?』


『いえ、別々でお願いします。』


当然だ、嫌いな相手に金払うほど出来た男じゃない。
丁重に断らせていただきます。


『あっ、でもお連れ様今外に出ちゃいましたけど……。』


さっきまで背後にいたと思いきやいつの間にか姿が無くなっていた。
あんのくそアマァァァ!!

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