君が嫌い
『あ、じゃあ一括で……。』


このまま払わなきゃ食い逃げ扱いされちまう。
何で俺が払わなきゃいけないんだよちくしょう。


『はい、ではお会計の方が2986円になります。』


しかも高いよ。
結局今日の安かった費用分がこっちに回ってきただけってか。


3000円を渡してお釣りをもらい出口へと足を運ぶ。
店員さんの「ありがとうございました」がとても悔しく感じた。


『遅かったわね。何やってたのよ。まったく男のくせに鈍間なんて考えらんない。』


外へ出ると俺を待っていたらしくぷんぷん怒っている。
別に誰も待っててなんて頼んでないのに。


『じゃあ次行きましょ。』


俺の手を取りどこかに行こうとする。


『は?』


意味が分からなく手を振りほどく。
こいつ何言ってるんだ?


『ご飯食べた後はお酒飲まないと、だから行こう。』


再び近付き手を取ろうとしてきたからそれを避けるように距離を取る。


『なによ、私と一緒にいるのが不服なわけ?』

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