君が嫌い
何故この人は嫌いと言われた相手と一緒にいようとするんだ。
寧ろこっちが聞きたいくらいだ。


『お前俺の後にお客さんいるって言ってなかった?』


ずっと疑問に思っていた事。
俺のすぐ後みたいな事を言ってたのに何故こいつは俺と一緒にいるのか。


逃げようとした俺に腹を立てて嘘をついていたのだろうか。
それとも……


『ああ、別に良いのよ。私があんたに用が出来たんだから。男の分際で私に触れてくる事自体知っていたらそもそもこんな所で……』


やっぱりな、こんな性格だからきっとそうじゃないかって思ったんだよ。
俺は彼女の言葉を遮るように口を開く。


『あのさ、お前が男嫌いなのはよく分かったけどさ、お前が自分で選んだ仕事なら責任を持ってやり遂げるのが普通じゃないのか?人に偉そうな態度とる前に、まず常識を学べ。そうやっていつまでも自分中心に考えて生きていると気付いた時には誰もお前の味方になってくれる人いなくなるぞ。』

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