君が嫌い
それにしても、俺の次だった人も気の毒だな。
きっと楽しみにしていただろうに。


でもあいつなら寧ろキャンセルになって正解だろ。
よっぽど変わった趣味の持ち主でない限りは。


そうこうしていると用件が済んだようでこっちに向かって走って来る。


地味にニコニコしながら走って来る姿が可愛いと思ってしまった。


『ちょっと怒ってたけど許してもらえた。まあ私が許されない事なんて無いけどね。』


はぁ、また調子乗ってるよ。
まあもう何でもいいか。


『あっそう、良かったね。それじゃあ俺は帰るから。さようならー。』


彼女に背を向けて歩き出す。
やっと地獄から解放される。


『ちょっと待ってよ。電話したからこれから飲みに行くんじゃないの?』


『はー?』


彼女の発言した意味が分からず思わず声を上げる。

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